占いと宗教と・・・②

『占いと宗教と・・・』の2回目です。

占いが宗教や詐欺、霊感商法の入り口として利用されている事例や注意点に関しては『ココ』で以前に書きましたが、昨今の宗教と霊感商法の悪質な事例に関しての報道が終わりを見せない状態に対して、占い師の立場から思う事を書いていきます。

前回は私が寺族家系と言う事による宗教観を少し書きましたが、今回は実際に私が経験した事を元に、霊感商法の被害にあいそうになった経験を書きたいと思います。

もうかなり昔の事なので、断片的な記憶にはなりますが、具体的な宗教団体名や個人名は控えた形で書きたいと思います。

10年以上前になりますが、その当時、主要な駅の駅前にはバインダーをもって、大きな肩掛け鞄を持った、何かの署名運動をする方たち(確か時期的に東日本大震災に絡んだ何かだったと思います)が常に2~3名はいて、名前と住所を紙に書くように言われ、そのあとで募金も要求する形の活動をしていました。 もちろん団体名や、どういた形でこの個人情報が使われ、活用されるのか?等の説明は無いばかりか、募金に関しては『1口500円以上でお願いします』という請求をする、募金と言う「善意」に対して金額指定するというかなりおかしなことを平気で行っていました。

行っているのは、何故か決まって純朴そうな若い女性や社会を知らない、どことなく視点の合わない目をした素朴で真面目そうな学生が多かったのですが(あえてかなりやわらかく表現してます)本人達は恐らくマニュアルに従ってやっているので、自分たちの行っている行為が心理学では定番の『フットインザドア』の手法を使っているともよくわかっていないのでは?と思う節がありましたが、要は、最初に署名という特に損失の無い比較的簡単な要求をし、それを受け入れた側は自分の行動の『一貫性』を保つ為に、次に要求される『募金』という要求を受け入れやすくなるというやつです。

しかもこの「1口500円」というのはワンコインと言う払いやすい金額だし、小銭だと100円を5枚以上持っている方は確率的に少ないと思われ、1000円札しかないのでこれでいいや・・・と言う状態も計算済みだと考えられます。募金におつりを請求する人はまずいない訳ですからねー。

結果的にこの慈善団体と思われる団体(後になって調べると完全にある宗教団体の資金集めであり、修行と称し信者にやらせていた行為と判明しますが)は人の要求に答えやすい性格の人の個人情報(これをどう使うかは言わずもがなでしょう)と、更に資金まで調達することが出来、正に一石二鳥のやり方だったのです。

現在では個人情報を簡単にさらす行為は社会全体の意識として良くないという感じになっていますので、この様な署名活動はめっきり見なくなりましたが、10~20年前、特に阪神大震災や東日本大震災の時には、人々の『何か自分にも出来る事はないか?』という善意の心に付け込んで、この様な裏の目的を持った似非慈善団体が大量発生したのは事実であり、認識のある方も多いのではないでしょうか?

私も1度引っかかった事があり、後で冷静に考えると完全に利益目的の『ビジネス』だと気が付きましたが、この様な手口や心理に感心の無い方は、今でも、良いことをした・・・小さいけど善行をした、と信じてやまないでしょう。

この様な宗教団体の「街頭活動」は他にも『今修行中なのですが、あなたの幸せを願って手当(手を頭にかざしてパワーを送る行為)をさせてください』や『占いを勉強中なんですが、手相を見せてもらえますか?』『この本にはあなたが今求めている事が書いてあります。無料でいいので是非読んでみてください』など、沢山のバリエーションがあり、全ては『信者獲得』という1つの目的に繋がっていて、一定の宗教はそういった入り口を重要視している事がうかがえます。

実際に手相占いや手当を行ってもらうと、そのあとどんな要求をされ、どういった形で宗教に勧誘されるのか?実際に自分の実体験を交えて次回お話したいと思います。

ではでは(^_-)