で、ヒプノセラピーって何なの?⑤

布マスクが数えられないほど増えた青園シュウです。

「で、ヒプノセラピーって何なの?」も5回目ですが、今日は被暗示性テストの部分の実際に催眠に入る前のウオーミングアップのやり方を解説します。

これは催眠やヒプノセラピー、ヨガや瞑想法でも似たような方法が存在し、わりとベーシックな方法でも有るのですが、セラピスト側が、クライアントの感受性や被暗示性がどの程度なのかを測る為のやり方でもあります。

勿論これらを行う前に、深呼吸や、それぞれ独自の呼吸法などを行っていますが、これは色々な解釈ややり方がありますのでここでは割愛致します。

方法はいくつか存在しますが、ここでは代表的な3つを紹介しますね。

1:辞書と風船

これは立った状態、座った状態どちらでも可能です。  まず、両手の手のひらを下に向けて前に腕を伸ばしてください。そうしたら、ゆっくりと目を閉じてください。 次にどちらか一方の手のひらだけ上に向けてください。 「まずこちらには分厚くて重い辞書をのせますね」と言い、「次に下を向いている手の手首にはヘリウムガスの入った大きな風船を結びますよ」と説明します。

「さあ、では重い辞書をのせますよ・・・ドン!・・・さあ、リアルに想像してください」と促します。

「風船の結んである手はとっても軽いですよね?」と言い、「では更にもう一冊辞書を追加しますね・・・ドン!」

「さあ、ゆっくりと目を開けて、自分の手はどうなっていますか?」

と、大体このような感じです。 感受性や暗示性の高い方だと両手に30センチ以上の高さの差が付く方もいらっしゃいます。 逆に全く差がつかない方はごく稀で、そういった場合でも別の方法を試したり、自然な脳と身体の反応になぜ逆らった行動をしてしまうのか?その理由や原因を探る為の指針としても大変役に立つテストになります。

2:指と万力

両手の指を組んでから、両方の人差し指だけを伸ばしてもらいます。そして目を閉じてもらいます。

「道具をはさんで固定する万力と言う道具はご存知ですか?今からその万力であなたの指を挟み、どんどん万力を閉めて行きますね。」

「どんどん万力を閉めていますので、あなたの指もどんどん近づいていきますよ」

「どんどんしまって、ほら、指と指が完全にくっついてしまいましたよ」と言い、ゆっくりと目を開けてもらいます。

「指を離そうとしてみてください、離れませんよね? 無理に離そうとすればするほどしっかりくっついた様に離れませんよね?」

「はい、もう大丈夫ですよ、指は離れますのでリラックスしてくださいね」

大体この様な流れです。 これも「辞書と風船」と同じですが、暗示性が強いか弱いかは指の付く速さなどで測ることが出来ます。

3:倒れる身体

これは実際に自分はまだ取り入れたことはありませんが、イメージの力、潜在意識の力が発揮されると、大小にかかわらず、いかようにも身体に影響を与える、と言うのを感じてもらう良い方法です。これを取り入れているのは臨床心理士などの心理療法の現場か、精神科医などの行う心理セラピーの現場だと思いますが、十分に安全な環境が確保された場合のみですので、あくまで参考としてください。

まず、クライアントに真っすぐ立ってもらい、床に自分がきちんと立っている事や床に意識を集中してもらいます。

「まず、真っすぐ上に顔を向けましょう・・・天井が見えたら、ゆっくり目を閉じてください」と言います。

「あなたの事は私がしっかりと支えます。絶対安全ですから安心してください。」

クライアントがしっかりと顔を天井に向けている事を確認します。

「イメージしてください、あなたの身体がゆっくりと左右に揺れてきますよ・・・そしてゆっくりと身体が後ろに倒れます・・・私が両手でしっかり支えますから安心して大丈夫ですよ・・・さあ、倒れます、倒れます・・・」

「すごくいいですよ、倒れます、倒れます・・・」

クライアントが後ろに倒れたらしっかりと支えます。

と、この様な手順です。

ここまでの事が可能でしたら、かなりクライアントはセラピストに心を許し、信頼関係(ラポール)が築けていると言う証拠でしょう。

この様に段階的に暗示現象のテストを行う事で「身体が反応した」「潜在意識とアクセス出来た」と言う思考が積み重なり、それが自信となり、この後の自分自身の潜在意識とのコミニュケーションがスムーズに行くようになります。

最後に、テレビなどでの見世物としての「催眠術ショー」の所でもお話しましたが、この様に、実際のヒプノセラピーは、クライアントが自ら自分の状態を良くしたい、改善したい、と言う目的がはっきりし、能動的な努力や協力がなければそもそも意味のない事で、たまにこのような物に対して「オレは催眠には絶対かからないぞ!自信があるからやってみろ!」などと言う挑戦的な態度を見せる方がいらっしゃいますが、催眠はお互いの協力関係がないとかからないし、意図的に抵抗することにも何の意味もないし、そもそも全くの不毛なやり取りだという事はわかっていただけたのではないかと思います。

次回は、実際の催眠で、悩みにどのようなアプローチをしていくのか、その例と、自分がセブンスセンス占いなどに取り入れている比較的ライトなヒプノセラピーで、どのように潜在意識の扉を開くのか?を解説しますね(^_-)