ネトフリの「浅草キッド」を観るのを楽しみに取ってあり過ぎて、すっかり観るタイミングを失ってしまった青園シュウです。

みなさんにもそれぞれ「座右の銘」と言うのが何となくでもありますか?

因みに私の座右の銘は「人間万事塞翁が馬」と言うことわざです。

有名なことわざですので、聞いたことがある方も多いとは思いますが、本来の詳しい意味や、このことわざに隠されたストーリーを知っている方は意外に少ないのではないかと思います。

このことわざ、人生の何ぞや、だけでなく、占いや森羅万象の現象全てに対しても「真理」を教えてくれる、知ればとても役に立つ興味深い意味が込められています。

今日はそれを解説していきますね。

人間万事塞翁が馬」の「人間」はニンゲンと読んでも良いのですが、元々中国の前漢時代の哲学書「淮南子」の中の「人間訓(ジンカンクン)」と言う中に載っている一節なので、ジンカン、と読む方がスッキリするようです。 ジンカンとは、人間とそれを取り囲む世間、要は人生そのもののような意味ですね。

簡単にこのことわざに秘められたストーリーを説明すると

『昔中国の地方の村に、占いの得意な爺(老人)が住んでいました。

ある時、彼の飼っている馬が逃げ出してしまった。

そのことを知った村の人々は口々に老人に対して「大変だったねー」「不運だったわねー」と同情しました。

しかし老人は「まーそうとも限らないよ・・・」と、ボソッと言うだけ。 村人は皆、年寄りの負け惜しみか気休めだろう・・・と思ってあまり相手にしませんでした。

数日後、なんと逃げた老人の馬が、立派なメス馬を連れて戻って来たのです!

すると今度は村人たちが「良かったねー!」「幸運だったわねー!」と祝福します。 すると老人は「まーそうとも限らないよ・・・」とまたボソッと言うだけ。 村人は皆、「全くひねくれた年寄りだ!」と相手にしませんでした。

しばらくすると、今度は老人の息子がその馬から落馬してしまい、足の骨を折ってしまったのです。

それを聞きつけた村人たちが「大変だったねー」「不運だったわねー」と同情しました。しかしまた老人は「まーそうとも限らないよ・・・」と言うだけ・・・。

またしばらくすると、今度は隣接する国と国との戦が始まってしまいました。

しかし、老人の息子はケガをしている事で戦に駆り出されることは無く、ほとんどの村の若者が戦死した中で、唯一生き長らえる事が出来ました』

と言うお話です。

どうでしょう、たった数文字のことわざの中にこんなストーリが隠されているなんて面白いですよね。

恐らくですが、自分が想像するに、話はここで終わりではなく、人生と同じく、この話もまだ続いていくのだと思いますが、要はこのことわざが伝えたいこと、メッセージはズバリ!・・・

『物事は表裏一体』

そう、森羅万象全ての物には表と裏、光と影があり、幸も不幸もまた同じ。どちらかだけと関わって生きていく事なんて出来ない。 しかもそれらは常にコロコロと変わり続け、留まるものでも、まして人間などにコントロール出来るものでもない・・・と言う意味が込められているのだと思います。しかもこれらはあくまで人間が一方方向から見ただけの単なる客観的な「捉え方」のみに過ぎず、実際に起きている事にはそもそも良いも悪いもなく、人間の感想とは何の関係もないこと、だとも。

正に今のコロナ渦が起きてからの物事の捉え方や、持つべき価値観などにもリンクしている考え方だと思います。

西洋にも同じような考えはありますが、中国や日本など東洋には特に「陰と陽」と言う考え方が昔からあり、これらは常にぐるぐると変化し、陰の中にも陽があり、また陽の中にも陰が存在する、そんな考え方があります。

まさにこの「人間万事塞翁が馬」のことわざの通りですね。

この陰陽や陰陽師など、占いにおけるその考え方や心理などは後日詳しく書くつもりですが、このことわざにセブンスセンス的に自分が感じるのは「占い師であっても起きる事はコントロール出来ない」と言うこと。

占い師なのにそんなことを言って大丈夫なの!?

と言われそうですが(^^; 実際この老人も占いが得意でありながら、馬を逃がし、落馬を防げず、戦がおこることは防げなかった訳です。 しかし、現状起きていること、目に見えていることが全てではなく、これが幸運や好転を引き寄せる事もザックリだが当てている。 この老人は、ある意味で全ての世の中の摂理や、運命とは何ぞやを知っていて、それをコントロール出来ると考えることなど「人間の驕り」であり「神への冒涜」のようなものと知り、運命を全て受け入れているんだ、と自分は思います。

こう考えると、自分には、あるべき占い師の役目がハッキリと見えてくるのです。

自分の身に起きる目の前の出来事に対して「一喜一憂」するのでは決してなく、常に一歩先を見据えて、そこに何を感じるか(潜在意識の活用)、どういう心構えと準備をすればよいのかを知ること。 そのお手伝いをするのが占い師の役目だとわかります。

そう、占い師は任せておけばあなたの運命を変えてくれる人ではなく、あくまでもあなたの人生の道の選択肢を示してくれる「ナビゲーション」なんです。   

あなたの歩んでいる「人生」と言う国には、いい事もあれば悪い事もある。それはどんな人もみんな同じ。 経験や勉強で、自分の国を把握して、地図やナビゲーションを頼らなくてもどんどん進める人もいるでしょう。 しかし時には道に迷ったり、進むべき方向がわからずに座り込んでしまう事もある・・・そんな時には、いや、そんな時こそ遠慮遠慮なく占いを頼ってほしいと思います。

私たち占い師は、あなたにとってよりベストで、より楽しく、刺激あるルートを探し、ご案内いたします。

後はあなたの背中を押し、元気になったあなたの後ろ姿を見送り、笑顔でそっと手を振るのです。

「いってらっしゃい!」と・・・(^^)/~~~